シアター イン エデュケーションによる
ドラマワークショップ
in えずこホール


参加メンバーからの
感想より(その1)


11月9日から17日まで英国スコットランドの

TAGシアターカンパニーの芸術監督である

ジェイムズ・ブライニング氏と中山夏織氏を

迎えて3つのプロジェクトを展開しました。


参加者は仙台の南、2市7町にまたがる地域

+仙台・名取・岩沼・塩釜などの広域から

集まった230名以上。

小中学生約90名、教育関係者約90名、

コミュニティーの住民53名。

年齢は9歳から75歳と幅広い参加者でした。

ジェイムズさんの笑顔と中山さんのまさに

シンクロした活力あふれる素敵な通訳によって、

えずこホールにジェイムズ・フィーバーが

巻き起こった一週間でした。

みなさんのご感想のごくごく一部をご紹介します。


▲オーガで行った11月9日の教育者のためのワークショップ風景。


今回ジェイムズさんが

ワークショップで披露してくれた

シアターインエデュケーションの

手法の数々は、さまざまな側面で

同時多発的に多くのことを

私達にもたらします。



参加者同士協働する過程で自然に

自分の存在を確認するような瞬間に

出会えることがあります。

人を尊重することの大切さを

実感できることがあります。

他愛もなく思える日常生活の中に

ドラマの種を発見することで、自分の

人生のよりどころを確認できたりします。

そして、普通の出来事からドラマを

ふくらませ創造する能力が自分に

内在していることに気づいたり、

自分の思った以上にその力を

発揮できることを発見することがあるのです。



とても楽しく、あっという間に過ぎる時間の中で、

各世代の人たちがいろんなことを

感じたワークショップでした。


えずこホールコーディネーター  吉川由美

 

■スコットランドのジェイムズ・ブライニング氏より

コメントが届きましたので、ご紹介します。


○えずこホールでのワークショップについて


グループ全体がうまく機能した。

参加者の大多数が、作品づくりの新しい

アプローチに対してオープンであり、またお互いの

エネルギー、アイディア、熱意にも寛容だった。

カンパニー(えずこシアター)の人たちは

強烈なキャラクターと、メンバー相互の尊敬から

生まれる恩恵を兼ね備えている。

カンパニーとの作業は楽しいものだった。

ユーモアに溢れ、とても熱心であり、ときに非常に

高度な技術も見られた。

また公平性の倫理とお互いの尊敬のあり方は、

プロ演劇では稀なものである。

参加者らは、私がスコットランドで日常的に

活用している多くのアプローチやテクニックを

体験したわけだが、その多くは精巧で

複雑なものである。

参加者にとってかなりチャレンジ的な

ものもあったが、常に望まれた成果に

向かって取り組んだ。

私は、彼らがすでに持っていたかなりの

技術と経験に加えるべく、 ワークショップから

様々なレベルの多くのものを獲得しえたと信じている。
   
 ジェイムズ・ブライニング

▲大河原南小での公開授業
▲村田二中にて「おとな」のデメリットを表した、ドラマティ ックな表現 ▲柴田町立船迫小学校での給食時間。中山さんやジェイムズさんと楽しく食事しました。

■通訳をしてくださったのは中山夏織さんでした。

ジェイムズさんと一心同体の名通訳のおかげて、

参加者ものりのりでした。

○ワークショップという魔法

―クリエイティブな心と協働との出会い

演劇ワークショップの通訳というものは

不思議なもので、一語一語を正確に

訳すよりは、むしろ指導者のスピードと

ニュアンスをとにかく伝えることのほうが

求められる。

参加された方々なら理解し、なかば同情して

いただけるだろうが、今回の講師ジェイムズ・

ブライニングの勢い、パワー、早口には、

私自身が招聘に関ったものの、さすがに

驚かされた。

驚く以前に、こちらも一緒に駈けずりまわると

いうことに相成った。

「おい、おい、通訳の年齢と体力も気に

してくれ〜」と、心のなかで叫びながらも、

必死で彼の背中と思いを追いかけた。

本職は少しばかり硬派の研究者であり、

ほとんど在宅勤務の私が、その日常に

戻ってみると、ジェイムズと一緒になって

走り回り、叫びまわっていたことは、

今となっては不思議で仕方がない。

魔法使いジェイムズ君がかけた演劇

ワークショップの魔法としか言いようがないのだ。


彼の魔法は、私だけではなく、もちろん、

仙南芸術文化センターに集った人々にも

かけられた。

ただ少し違うのは、その魔法がより長く残るもの

であるということだ。

少なからぬ参加者が、そして、気がつくと

いつの間にかワークショップに参加していた

劇場スタッフらが、日常のなかに、ドラマを

見いだし、ほくそえみ、そのドラマを遊んでいる

のではないだろうか。

これこそがやんちゃな魔法使いジェイムズ君の

たくらみであり、それを仕掛けたもう一人の魔法使い、

吉川由美女史のたくらみでもある。


実際、ワークショップには、ひとときの魔法に

終わらせてはならない多くのもの―資源・財産―が

溢れた。

すべてがそこに参加した人々の経験と日常から

生まれたものである。

たゆまなく流れつづける歴史や文化を、喜びや

挫折を、たしかに継承したヒトの生でもある。


この資源・財産を、さらに継承・発展させていくには、

さらなる魔法が必要なのかもしれない。

だが、その魔法は、すでに一人一人の心のなかに

刻まれていると思う。

すでにそれに気がついている参加者も

少なくないのではないか。


クリエイティブな心と協働。

ヒトがヒトであるための不可欠な魔法は、

本来、すべてのヒトに与えられている。

ただそれにうまく出会えないできた。

それに出会うためにワークショップという

魔法を借りなくてはならない現代という

問題はさておき、この出会いを維持し、

継承することで、新たな魔法をも

創造できるのだと信じている。

 通訳  中山夏織


●「先生も子どもたちと楽しもう! 
  シアター・イン・エデュケーションの
               手法を学ぶワークショップ」

参加したのは仙南圏域の小中学校の先生方と

生涯教育を学ぶ宮城教育大学芸術専攻の

大学生12名を含む約50名でした。

たった3時間のワークショップでしたが、

この手法の特長はご理解いただけたことと思います。

今後さらに回を重ねていきたいワークショップです。


○全く今まで面識がなかったような人々とあのような

形の交流の仕方であれば自然に楽しく、違和感や

よけいな感情など持たずに接触できるということを

知りました。

そして、ドラマを教育の中に入れているという外国の

事情を初めて知り、それを体験してみて、確かに

難題を解いていこうとするよりも、分かりやすく

考えやすいと思いました。

導入をあのようなゲームで始めるとさらに本題

(解決したい問題)に入りやすいのだと知りました。

今の日本の教育にものすごく必要な

ものなのではないかと考えさせられました。

 宮城教育大 杉山千尋

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