EZUKO THEATER



「2000年、
あの山で
また
ぼくたちは
出会った。」

□2000年
第2回アトリエ公演
「2000年、あの山でまたぼくたちは出会った。」
2月26日(土) 19:00開演 18:30開場
2月27日(日) 15:00開演 14:30開場


●第2回アトリエ公演について

歌って踊って笑わせて 「メモリー」で締めくくったラストシーン

2回目のアトリエ公演はえずこシアターの若手メンバーが中心となって制作しました。シアターの第二世代スタッフが、ワークショップで身に付けた成果を発表する場でもあるのです。

中高校生の役者たちは、登場人物のキャラクターを創り出す作業から、今回の公演にとりかかりました。

自分と自分の演じる人物、そしてその人物の二十五年後とそれを演じる別の役者たち、同じ空間・時間を共有する多くの人物たちとの感情のぶつかりあい、こすれあい、擦れ違い、共感などなど、時を経る毎に移ろっていく人間の関係…。

ひとつの役を演じる時に、全感覚を全開にして、多くの情報を、「役者」はキャッチし、整理し、咀嚼します。そして、自分の精神と肉体 を通して、ある人物を創り出してしまうのです、それは神業に近いことかもしれません。毎回えずこシアターの役者たちの仕事は、セリフを覚え、それなりの感情を込めて演じるということのみに、終わっていました。

なんとか本当の「役者」の仕事に一歩近づいてみたい。そう考えて、今回のアトリエ公演に向けての稽古に臨みました。

粘土細工みたいにつけたり取ったりしながら、ある人間を作り出そう。 演じている自分をまるで他人が眺めているみたいに、外から見つめる目を持とう。そんな遠い目標へのスタートラインが、あるいはその遠さを初めて意識したのが、今回の公演なのです。

また、踊ったり歌ったりしてみたいという中高生女子の要望にも応えて挑戦してみることにしました。

歌ったり踊ったりしてみることも、役者にとって、とてもいい経験です。

「語る」手段は無数にあるのです。でも、語ったことが人に必ずしも伝わるとは限らない。いろいろな体験が、「自分らしい表現」を探す手がかり、足がかりになると信じてワークショップを行いました。

そんな流れがショートドラマとしてまとまったのが、今回の作品です。これまでメインになったことのない、二十数名のメンバーにフル稼働 してもらいました。

最年少のスタッフ、葉月は十三歳。ニューフェイススタッフは、昆さんと大沼くん。即戦力の強力なスタッフです。照明は、これまでサブスタッフとして仕事をしてきた若い面々。いつのまにか古株になってしまった一期からのメンバーたちが、指導やアドバイスにまわり、新人スタッフ達が新しい感性を発揮しました。

制作などの事務的な仕事も、これまでとは違うメンバーが担当しました。

毎回の稽古のための準備、本番のための準備とも、実に手際よく進められており、これまでの活動の中ではもっとも自主的に仕事を進める ことができたようです。若いメンバーの底力は頼もしいです。

知っている者が知らない者に伝え導いていくという伝統のようなもの、 演劇へのあくなき探究心…。

今回のアトリエ公演の目的は、えずこシアターという地域住民劇団独自のマネージメント能力のパワーアップをはかることでもあったので す。

●公演に寄せて 

〜公演プログラムより〜

えずこシアターは地域住民の劇団です。
私達が生活している場所で、演劇を創り、上演するということは一体、どんな意味を持つのでしょう。仙南圏域各地から幅広い世代の男女が集まるえずこシアターの稽古場は、まるで小さな地域社会です。
若者達は年配の方々から人間同士のコミュニケーション術を学び、年配の方々は、若者達の柔軟な素直さに自らを振り返ったりします。

本来の地域社会が持っていた、コミュニティーの力が、この住民演劇のプロジェクトの中には生きています。老いも若きも共に生きる社会が豊かなものであることを、この小さな地域社会は教えてくれるのです。

昔、ムラ中が沸き返る、年に一度のハレの日がありました。
地域で演劇を創ることは、この祭の感覚と似たところがあります。
祭のように日常から脱出して、自由に心遊ばせることのできる瞬間を、演劇活動は提供してくれます。しかも、いとしい仲間達と能動的に創り出し、それを共有できる点でも、昔の祭に似ているのです。

血の通う人間味のあるふれあいが、地域社会や私達の日常から姿を消しつつある今、地域住民の演劇活動は、文化芸術の側面からだけではなく、人間そのものの存在に関わるような側面からも、私達の生活を豊かにする鍵を握っているようです。
ひとりひとりが心豊かになったという実感が、自分の生きる地域への誇りを育んで行くのです。何より、ここで生きることを楽しくするのです。

演出 吉川 由美


●えずこシアター/キャスト
<藤  玲香> 八島 里奈
佐藤 砂織
<山下 明子> 及川 ひとみ
曽根田 浩子
<木ノ下 エリカ> 高橋  藍
遠藤 由香
<佐久間 弥生> 毒島  礼
高子  香
<長島 繁雄> 佐久間 亮一
大宮  学
<斎藤 美奈> 大槻  愛
<島  陽子> 竹内 由佳
伊藤 裕子
<立花 秀平> 山家  翔
作間 誠志
<記   者> 木田 ともみ
<カメラマン> 長谷野 勇希
<先   客> 小原 邦子

●スタッフ
舞台美術・小道具 日下 博幸 (えずこシアター)
昆  京子 (えずこシアター)
大沼 正三 (えずこシアター)
鈴木 孝紀 (えずこシアター)
照  明 佐藤 美和子 (えずこシアター)
松崎 良子 (えずこシアター)
佐藤 摩利子 (えずこシアター)
音  響 二木 葉月 (えずこシアター)
託  児 えずこ託児ボランティア「えずこキッズクラブ」
(愛称 くーちゃんルーム)
会場スタッフ えずこボランティア・スタッフ
えずこアートプロデュース集団 えずこプロ
松橋 尚美 (えずこシアター)
作・演 出 吉川 由美
振   付 青木 純子
ピアノ伴奏 佐々木 佳代子
舞台技術指導 釣舟 健二 (東北共立)
鈴木 江美子 (東北共立)
照明プラン・指導 鎌田  淳 (東北共立)
音響プラン・指導 荒井  豪 (東北共立)
メイク 高松 春美
相原 美紀
記 録(スチール) 熱海 俊一
記 録(VTR) 寒河江 敬一
会  計 小原 邦子
チケット管理 長谷野 勇希
制  作 斎藤 佳子
伊藤 裕子
木田 ともみ(えずこシアター)
監  修 玉渕 博之
山家 史弘((財)仙南文化振興財団)



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